2016年1月19日火曜日
オーラルセックスと男性泌尿器疾患
雪、降りましたね。寒いです。明日は風もいっそう強いとか・・・、本来あるべき冬の姿になっただけなのに暖冬と刷り込まれた頭と体が「なんでこんなに寒いんだ?!」と不思議がっています。切り替えってなかなかできないものですね。車の運転や歩行には十分注意をしてお過ごしください。
さて、急性前立腺炎や精巣上体炎、あるいは急性尿道炎の増加が報告されていますが、臨床経験上も実感しています。性病を原因とする場合、主な起因菌は淋菌性とクラミジアですが同時感染しているケースも非常に増えています。急性前立腺炎や精巣上体炎など増加傾向にあるのは、オーラルセックスの一般化が一因ではというのが泌尿器科医のなかでは定説となりつつあります。国立感染症研究所が性的サービスを提供するいわゆるコマーシャルセックスワーカー以外の一般女性がオーラルセックスをどれくらいするかデータで示しているのですが、20歳未満で半分以上の方が必ずセックスの時にはしていると回答しています。全然しないという人は0%。2回に1回ぐらいはするかもしれない人が残りです。20代から30代ぐらいになっても一定割合でオーラルセックスは当たり前のようになっています。AVビデオの影響か、若年層にはオーラルセックスを当然のこととする風潮が顕著にみられ、性病感染の年齢層別データと見事に重なっています。女性が咽頭クラミジアに感染しても、風邪っぽい症状が一時期あらわれる程度で、特に喫煙をする方など喉の違和感があってもあまり特別なことと考えず、気づかないままでいることが多いです。女性の咽頭クラミジアからの感染は非常に多いです。もちろん、早目に対処すれば前立腺炎や精巣上体炎までに至らずに治すことは可能ですが、男性の場合も初期に尿道に違和感をおぼえたり透明な膿を一時期みとめても、症状としては治まってしまうことが多いため気づかずに感染症を進行させてしまったり、逆にばらまく側にまわってしまうケースはよく見られます。ごくごく特殊な例ですが壊死性筋膜炎にまで進行し壊死組織を切除しなければならない場合も出てきます。これはあっという間に症状が進みますし、死にも至る重篤な状態ですから、感染症には常に気をつけていただきたいと思います。そうでなくても精巣上体炎などは将来の男性不妊の原因にもなりますから、性病はかかったら治せばいいなど軽く考えず、予防を第一に、万が一危険を感じたら即検査をして早期発見早期治療に努めてください。お気軽にご相談を頂ければと思います。
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