2017年9月10日日曜日

亀頭包皮炎

晩になるとうってかわって涼しいですね。セミもまだまだ鳴いていますが、スズムシやコオロギの鳴き声も聞こえてきます。秋が早足で近づいています。 さて、このところ亀頭包皮炎を患って来院される患者様急増中です。今年の夏は夏らしくない雨続きでへんな気候でしたが、こんな夏は要注意です。というのも、湿度はあるのに曇っていたり雨だったりで気温が低いからとお風呂を省略して軽くシャワーで済ますなとという方が多いようで、それってやっぱり本当の意味で清潔にはならないんですよね。亀頭包皮炎は亀頭包皮に出来た小さな傷に、黄色ブドウ球菌や大腸菌などの細菌や、白癬やカンジダなどの真菌が入り込み、繁殖することで発症します。普通に生活をしていても罹患しうるわけですが、やはり成人男性に多いのはカンジダをはじめとする真菌性の亀頭包皮炎やウレアプラズマ、マイコプラズマといった細菌感染によるものなのです。カンジダは女性の膣に常在する真菌、カビの一種ですから、性交渉を通じて女性からカンジダ菌をもらうことで感染にいたるカンジダ性亀頭包皮炎もある意味性病(性感染症)とみなしてよく、淋菌、クラミジアの類縁菌であるウレアプラズマ、マイコプラズマ感染は完全に性感染症です。基本的にペニスは空気にさらされているのでカンジダ菌等は繁殖しづらい環境なのですが、先に書いたようにペニスを不衛生な状態にしていたり、包茎であったりすると繁殖する可能性は高くなるわけで、夏の終わりから今くらい亀頭包皮炎が例年大流行となるわけです。原因行為に思い当たるところがあり、ペニスが赤くなる、かゆい、白っぽい湿った垢が出る、カサカサの薄皮のようなものが出るなど症状がありましたら当院にご相談ください。亀頭包皮炎は放っておくと尿道炎を起こすこともあり、症状が進行すると鼠径部のリンパ節の腫れ、さらには陰茎がんに進展する可能性もあります。早期に原因菌を特定して治しておかないと別の性感染症の罹患率も上がりますから、ちょっとした皮膚の傷だとかかゆいだけなどと放置せずに性病科の受診をおススメいたします。専門外の医院で出される軟膏などで症状を悪化させることもありますので要注意です。お気軽にご相談ください。