2015年8月29日土曜日

包茎だっていいんです。

すっかり涼しくなりましたね。空気も澄んできてだいぶ過ごしやすいですが、曇り空は勘弁いただきたい感じです。すっきり晴れてカラッとする気持ちの良い秋の日を楽しみたいのですが・・・。今は昼間もどんよりしていて夕方ころからうら悲しい秋の虫の音が身に染みます。 さてさて、「包茎に対する差別的な雰囲気が嫌なんです。包茎だってSEXできるし、いいじゃないかと思うのですが医学的にはマズイのですか?」・・・こういう主旨のご質問を受けることがたびたびあります。そんな時、私は開口一番、「おっしゃる通り、包茎だっていいんです。」と答えています。実際のところ日本人の60%は仮性包茎と言われていて包茎はマジョリティーなうえ、そもそも包茎の定義すらあいまいな部分もあるんですから。例えば仮性包茎。自分の手で皮をむき、亀頭のすべてを露出させることができるが、手を離すと亀頭の一部が隠れてしまうというのが仮性包茎ですが、医学的には病気ではありませんから本人が希望しなければまったく治療の必要はありません。何割隠れてしまうかが周りや本人にとっては大問題なのかもしれませんが、毎日お風呂で洗って清潔にしていていただければなんの問題もありません。ただ、手で包皮をむいて亀頭全体を出すことができない真性包茎や、手で包皮をむくことはできるけれども、出口が狭いために剥けた皮で陰茎が締め付けられるカントン包茎というものがあるのも事実で、これらは場合によっては手術による治療がその後のQOLを格段に上げる可能性があります。殊に真性包茎は皮が亀頭と癒着していたり、包皮の出口が小さくて亀頭が露出できないということが原因で、内部を清潔に保てないので包皮炎や亀頭炎あるいは性病のリスクが高く、射精に支障をきたす場合もありますし、カントン包茎は剥いた皮が元にもどらなくなると亀頭に血がまわらなくなり、最悪壊死してしまう可能性もないとはいえません。カントンについてさらに申しますと、ご本人が心がけていても例えばシャワーの水圧などで意図せずに剥けてしまうこともあり、亀頭を強く握りつぶして皮を強く引っ張ったり、石鹸などをつけ滑りやすくして元に戻せればよいのですが、どうにもならず救急車騒ぎがおきたとの例もございます。もちろん、いわゆるカントン発作と言われる状態では躊躇なく救急車を呼んで治療して頂きたいと思います。ただ、二度目三度目となるとなかなか大変ですから、こういったカントン、あるいは真性包茎の場合には、医学的見地からも治療をオススメする場合はございます。基本は包茎の状態や程度とあくまでご本人の希望次第なのですが、そのあいまいな境界線にお悩みの場合にもご相談を承ります。まずはご来院頂ければと思います。

2015年8月21日金曜日

季節の変わり目はご用心!

ダブル台風、嫌ですね。お盆前までの酷暑からは抜け出した感がありますが、そうかと思うとどんよりと曇ってすっきりしないお天気が続いています。ぎらぎらの太陽は困りますが青空が恋しい気分です。夏の終わりの入道雲、だんだん高くなってゆく空と夕方から聞こえてくるヒグラシの声と、、、気分良く季節の変わり目を感じたいです。 さて、淋病やクラミジアの陽性率もこのところ高めな感はありますがが(淋菌感染症は12%、クラミジア感染症は8%)、実はより治りの悪い、というか、かかってしまうとかなりやっかいな非淋菌非クラミジア性の尿道炎・膣炎が45%というような統計が取れました。 非淋菌非クラミジア尿道炎・膣炎とは、いわゆる雑菌性尿道炎、細菌性膣炎と言われるもので、大腸菌、溶連菌、ブドウ球菌などの細菌によって起こるのですが、原因菌として他にマイコプラズマ、ウレアプラズマなどによる尿道炎になるケースが増えています。性病全般に言えることですが、ノーマルセックスに加えてオーラルセックスによる感染が増えています。いわゆるセックスでなければ安全だという勘違いが病気を増やしています。いつでも十分な予防を心掛けてほしいものです。ところで、今のような季節の変わり目は何かと疲労が蓄積しやすく、抵抗力の低下、ホルモンバランスの変化によって体内の細菌バランスが変化し、カンジダが増殖することがよくあります。細菌性尿道炎も原因行為そのものに加え季節的なものからくる抵抗力の低下やホルモンの変化などによってバランスが崩れ、大腸菌やブドウ球菌などが増えてきて起こしやすくなることが多くなります。ほかに ヘルペスは、全体の1~2%ほどですが年に1~2回ほど流行する時期があり、これから秋・冬に向け要注意の時期とみています。 尖圭コンジローマは全体の3%ほどを占めるくらいですが、患者さんの数がジワジワと増えています。再発も多く、こじらせると治療は厄介なものになりますからご注意ください。一に予防、二に予防ですが、抵抗力の落ちているときは、感染しやすく悪化しやすい傾向があることを重々ご承知置き頂き、普段から体調管理をしっかりして頂きたいと思います。ただし、万が一にもかかってしまったか?!と心配になりましたら、早期発見早期治療が肝心ですので県内唯一の性病科である甲府メンズメディカルクリニックまでご相談ください。

2015年8月4日火曜日

仮性からカントン、真性?!

猛暑、酷暑ですね。日本列島が熱のかたまりのようになっています。でも、昨日、今日と夕方近くに吹く風がなんとなく涼しく感じられるというか、日中との気温差を感じることもでてきたので、季節は進んでいるのかなと思います。 さて、このところ元々仮性包茎であった方が亀頭包皮炎を発症し、放置の結果、炎症性カントン包茎になられて来院された方に立て続けにご来院いただいております。どなたもお仕事や部活で汗をかいても毎日の入浴で湯船にはつからずにシャワーで済ませていただことです。陰茎に汗腺はないですが、カリの部分にはありますし、下着からのジメジメはしっかり受け止めてしまっているわけです。カンジダ性などの亀頭包皮炎を発症して次第に包皮輪が狭窄してきたため、処置が必要となりました。お気をつけ頂きたいと思います。包茎がありますと、包皮線からの分泌液や排尿時に残った尿が包皮と亀頭の間にたまりやすく亀頭部に恥垢がたまります。恥垢がたまれば常に湿った状態になりがちで、亀頭と包皮の間はさまざまな病原菌を繁殖させる原因になります。亀頭包皮炎から炎症をおこせば、性病にかかる確率が高くなるわけです。性病予防や包茎の状態をより問題のある方向に導かないためにも亀頭を衛生的に清潔に保つのが非常に大切です。性病予防にお気をつけください。