2011年8月13日土曜日

性病の傾向

 猛暑が戻ってきました。ひところの曇り空よりは夏らしくていいですが、気をつけていないと体に変調をきたしますね。
 さて、今日は過去1年間の当院で検査、診察をした性病の傾向についてお話しします。患者さんは、20代後半から30代にかけてがピークになっていて7割ほどを占めています。当院はメンズクリニックですので当然男性です。50歳以上の方が1割ちょっとを占め、男性の20代前半(20から24歳)と同じくらいの割合なのが興味深いところです。当院でも甲信地方で一番お安くかつ一番量を処方させていただいているED薬(シアリス、レビトラ、バイアグラ)の普及で元気に活躍する方々が増えてきたからでしょうか。QOL向上という意味では素晴らしいことですが、性病は年齢を問わず平等に感染しますので充分に気をつけてお使いいただきたいと思います。
 それぞれの病気についての割合は、淋菌感染症は12%、クラミジア感染症は8%、非淋菌非クラミジア尿道炎・膣炎が45%というような結果になりました。 非淋菌非クラミジア尿道炎・膣炎とは、いわゆる雑菌性尿道炎、細菌性膣炎と言われるもので、大腸菌、溶連菌、ブドウ球菌などの細菌によって起こるものです。こういった細菌によるもののほかに、マイコプラズマ、ウレアプラズマといったものによって尿道炎になるケースが増えています。 淋病の傾向として、オーラルセックスによって感染するケースが増えている点が挙げられます。今のような梅雨から夏にかけては、高温多湿に加え疲労などの抵抗力の低下、ホルモンバランスの変化によって体内の細菌バランスが変化し、カンジダが増殖することがよくあります。細菌性尿道炎も、きっかけはあるのですが、こういう夏の時期の方が抵抗力の低下やホルモンの変化などによってバランスが崩れ、大腸菌やブドウ球菌などが増えてきて起こしやすくなることが多くなります。ほかに ヘルペスは、全体の1~2%ほどですが年に1~2回ほど流行する時期があり、過去1年では11月にぐっと増えました。 尖圭コンジローマは全体の3%ほどを占めるくらいですが、患者さんの数がジワジワと増えています。再発も多く治療は厄介なものになりますから、ご注意ください。更にこの時期注意していただきたいのがケジラミです。 肌の接触によって直接感染するばかりでなく、タオルや毛布などの寝具からも感染するので、家族にも感染することがあり要注意です。かつて性病の代名詞といわれていた梅毒は、もう根絶したと勘違いしている方もいらっしゃるくらいですが、未だ厳然と存在します。かかってしまうと非常に厄介で、今もかわらず恐ろしい病気だと思います。 性器からじわじわと全身に広がっていく病気で、治療後も血液中の抗体はなかなか消えず感染した証拠が残ってしまうことがあるので気をつけてください。
猛暑で気軽に外を出歩けない今こそできたざっくりとした統計処理で、医者としては興味深い結果になりましたが、患者様向けに申し上げたいのは、やはり予防、そして抵抗力の落ちているときは感染しやすく悪化しやすい傾向がありますので体調管理もしっかりしてくださいということでしょうか?万が一の場合には早期発見早期治療(完治)に限りますので、県内唯一の性病科である当院にご相談ください。8月20日(土)ご予約いただけます。

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